おそらく、多くの受験生が数学をしていく上で利用するであろう解と係数の関係。
高校では多くの人が二次方程式と三次方程式の解と係数の関係について学んできたと思います。
でもよく聞く話は、
「二次方程式の解と係数の関係は覚えているけど、三次方程式の解と係数の関係は覚えられない!」
という話、、、
でもこれは少し、解と係数の関係の公式の見方を変えれば簡単に覚えられるようになるんです!!
今回は解と係数の関係に色がついて見える話をしていきましょう!
1.二次方程式の解と係数の関係
二次方程式の解と係数の関係はおそらく多くの人が覚えているでしょう!
まずは、この関係式を導き出しましょう。
ある二次方程式\(ax^2+bx+c=0\)の解を\(α\)と\(β\)とすると、
\(ax^2+bx+c = 0 = a(x-α)(x-β)\)
という式が得られます。
ここで両端の式を恒等式とみて比べてみましょう。
\(ax^2+bx+c = a(x^2-(α+β)+αβ)\)
\(=ax^2-a(α+β)+aαβ\)
つまり、
\(α+β=-\fraction{b}{a}\)
\(αβ=\fraction{c}{a}\)
となったので二次方程式の解と係数の関係が求まりました。
2.三次方程式の解と係数の関係
二次方程式での解と係数の関係の導出と同様の手法で考えていきます。
設定は、三次方程式\(ax^3+bx^2+cx+d=0\)の解を\(α,β,γ\)とします。
あとは同様にして、
\(ax^3+bx^2+cx+d = a(x-α)(x-β)(x-γ)\)
\(=a(x^3-(α+β+γ)x^2+(αβ+βγ+γα)x-αβγ)\)
よって、
\(α+β+γ=-\fraction{b}{a}\)
\(αβ+βγ+γα=\fraction{c}{a}\)
\(αβγ=-\fraction{d}{a}\)
これで三次方程式での解と係数の関係を導くことができました。
3.解と係数の関係を一般化
ここまで導出してきた解と係数の関係の公式をどの次元の方程式でも当てはまるように一般化していきましょう。
n次方程式での解と係数の関係を求めていきます!
それでは二次方程式と三次方程式の解と係数の関係を見ていきましょう。
この2つに共通することは、、、
分母に\(a\)がある
ですね。
つまりn次方程式の解と係数の関係でも一番高次の項の係数が分母に来るということがわかります!
そして、次にわかることは、、、
最初は各解の1つずつの和、次は2つの解の掛け算の和、そしてその次は3つの解の掛け算の和というように徐々に解をかける回数が増えていっているということです。
そして、最後にわかることは、、、
マイナスとプラスが交互に出てくる
ですね。
以上のことを考慮するとn次方程式
\(a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+・・・+a_{1}x+a_{0} = 0\)
の解と係数の関係は
\(α_1+α_2+・・・α_n = -\fraction{a_{n-1}}{a_n}\)
\(α_{1}α_{2}+α_{2}α_{3}+・・・+α_{n-1}α_{n} = \fraction{a_{n-2}}{a_n}\)
\(α_{1}α_{2}α_{3}+α_{1}α_{2}α_{4}+・・・+α_{n-2}α_{n-1}α_{n} = -\fraction{a_{n-3}}{a_n}
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\((α_{1}からα_{n}までの中からk個をかけた項全ての和) = (-1)^{k}\fraction{a_{n-k}}{a_n}\)
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\(α_{1}α_{2}・・・α_{n} = (-1)^{n}\fraction{a_0}{a_n}\)
となって、以上でn次方程式に対する解と係数の関係が求まりました。
4.最後に
今回は解と係数の関係を扱いましたが、他にも「相加相乗平均の導出について」などの記事も書いています。
ぜひ読んでみてください!
このように数学の公式は、高校の間だと表層の部分しかやらないため公式ばかりが出てくる機械的で面白みのないものに感じられるかもしれませんが、
僕は公式を紐解いた先に数学の面白さがあると思っています。
もし、今この記事を読んでいるあなたが大学受験に対して余力のある高校生でしたら、ぜひこのように教科書で出てきた公式を深く味わってみてください!
このブログは僕が普段学習したことのアウトプット用に使っています。
大学での専攻は物理学、独学でPythonを学習しているためこの2つが主な内容を占めています。
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5.参考文献
今回の記事を書くにあたって参考にした本を紹介します。