第1章:静力学の法則
1.5.1:「系」とは
物理の参考書などを読んでいるとよく出てくる「系」という言葉。これの意味を分かって読んでいないと参考書などの解説を100%吸収することができないので今回はこの解説をしていこう!
まず、「系」の定義を知っておいて欲しい
例えば「太陽系」などがよい例で、これは太陽を中心として万有引力で相互作用を及ぼしあっている一つのまとまりという意味なんだ!
1.3節では2物体A,Bを別々に考えてつり合いの式を作った。
だけど、これをやっている時に思わなかっただろうか?
「わざわざ一つずつ考えるの面倒クセー!!」
そう!物体一つ一つに注目するというのは物体が増えれば増えるほど計算が複雑になってしまう!!
じゃあこれを解決するためにはどうすればよいだろうか?
そう!ここで出てくるのが「系」という考え方なんだ!
今回は1.3節で扱った問題を2物体が一つの塊であると考えて解いていく!
もう一度1.3節で書いた図を見てみよう!
それぞれに加わる力を図示すると図2のようになる
今回は二物体をひとまとめで考えるのでAとBの間の力であった二つのNが無いのと同様になる!!
それを図にまとめると図3のようになる!
この相殺される二つの力を「内力」ということも押さえておこう!
ここで、内力は本当に消せるの?と思った人のために内力を消せることを証明しよう!
内力が消せることの証明
物体Aのつり合いは
\(m_Ag=N\)
物体Bのつり合いは
\(m_Bg+N=N'\)
それぞれを足し合わせると
\(m_Ag+N+m_Bg=N'+N\)
両辺のNを相殺して
\((m_A+m_B)g=N'\)
つまり、床からの垂直抗力が二物体の重さの和に等しいことがわかる!
よって、床と二物体の間には内力が影響を及ぼさないことが証明できた
作用反作用のおかげで、分割して考えようがまとめて考えようが同じ結果が出る!
だから場面によってこの二つの考え方を使い分けるべきなんだ!!
まとめ
今回の章を通して物体の系について学んできた。
この章では物体を一つにまとめて考えることができるということを押さえておいて欲しい!
そして場面によってこの系の考え方と物体一つ一つに注目していく考え方を使い分けられるようになって欲しい!
今回扱った状況での使い分けは次のようになると思う!!
以上のような使い分けを何度も演習を重ねてできるようになりましょう!!
オススメ参考書
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各講義の後にこれらの参考書で問題演習や対応する章を読んで理解を深めましょう!!